「病は気から?」

4月 17th, 2010 by 曽野医院 Leave a reply »

患者さんがかかりつけの医院を選ぶときの基準は何でしょうか。

もちろん、医療技術や設備は当たり前です。

しかし、それ以上に求められているのは「親身な説明」です。つまり患者さんの立場に立って説明し、患者さんと共に病気を治す最善の治療法を見つけ出すことです。

「親身な説明」に欠かせないものは何でしょうか?

それは、具体的かつ詳細な説明と丁寧な話し方です。患者さんは、自分の体がどうなっているのかを詳しく知りたがっています。そして、それを分かり易い言葉で丁寧に説明されることを望んでいます。そのためには安心感を与える言葉が必要なのです。

患者さんは医師の言う言葉には非常に敏感になっています。「心配ないですよ」「たいしたことないですよ」「大丈夫ですよ」「今日は調子がよさそうですね」といった前向きで明るい言葉をかけられると安心します。「病は気から」とはよく言いますが、病状の改善に大きく影響しているのは間違いありません。

しかし、病気によっては、どうしても厳しいことを言わなければならない場合があります。例えば糖尿病の患者さんで食事療法や運動療法を守れないばかりに他病を併発しそうな場合(合併症)は、厳しく現状(場合によっては誇張的に)を説明しなければなりません。その場合でも「こうしないと駄目」ではなく「こうすれば大丈夫」とプラスの言葉に変換し、安心感を与えるようにします。このように、患者さんの病気に対する意識や闘病意欲を刺激するように話しを運ぶことが大事なのです。

言葉の力は想像以上に大きいです。人は些細な一言で生きる希望が沸いて来たり、絶望したりすることがあります。ましてや、人命を預かる医師の一言は重要です。言葉を選び、患者さんに安心感を与えることを、いま一度心掛けたいものです。

経験上、同じ病気の人なのに、回復の早い患者さんと、どうも治療が思わしくない患者さんに分かれます。分析してみると、回復が順調な患者さんは、私達医師の前向きな言葉を素直に受け止めて実行している方です。逆に、思った程、なかなか良くならない患者さんというのは、朝から晩まで病気のことばかりを考えているようです。これでは自分で病気を治りたくないと言っているようなものです。治し得る病気でも患者さんが “もうあかん! 治らない! ”と決め込んだら、まず治りません。

当院ではいろいろな性格の方に合った説明や治療法をもっと考えた医療を実施したいと日々考えています。

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