子宮頸がん

4月 14th, 2010 by 曽野医院 Leave a reply »

   子宮にできるがんは子宮の体部にできるものと子宮の頸部(子宮の入り口)にできるものがあります。

   疫学調査では子宮頸がんは20~30代で急増しています。全世代では乳がんの次に多いがんですが、20~30代のがんの中では最も多く、日本では年間約15000人の発症が報告されています。

    発症原因は発がん性HPV(ヒトパピローウイルス)による感染です。発がん性HPVは性交渉により感染されますが、極限られた特別な人だけが感染するのではなく、多くの女性は生涯で一度は感染するありふれたウイルスです。

    発がん性HPVはいくつかのタイプがあり、その中でもHPV16型、18型は多く(約60%)の子宮頸がんで発見されています。この発がん性HPVに感染しても多くの場合は一過性(一時的に)でウイルスは自然に排除されますが、ウイルスが排除されずに長い間感染が続くと、一部は前がん病変(がんになる前の異常な細胞)となり、数年から十数年かけて子宮頸がんを発症する場合があります。尚、発がん性HPVは感染の機会があれば繰り返し何度でも感染します。HPV感染が子宮頸癌発生の必要条件です。

    子宮頸がんワクチンの一つであるサーバリックスは発がん性HPV16型と18型の感染をほぼ100%防ぐことができます。サーバリックスの予防効果はメーカーのデーターによると6.4年間と報告されていますが、経過観察を続けることにより、更なる延長効果も期待されています。

 サーバリックスは初回接種、初回接種から一ヶ月後、初回接種から六ヶ月後の合計3回、腕の筋肉内注射することによって十分な予防効果が得られます。きちんと最後まで接種することが大切です。尚、サーバリックス接種後も定期的に子宮頸がん検診を受ける必要があります。(主なワクチン接種対象者は11から12歳の少女達で、当分の間は癌検診対象者にならないこと、HPV16、HPV18以外のHPV型による子宮頸癌の早期発見が必要ということで)

 サーバリックスの接種に関してのご質問などは気軽に当院まで御願いします。

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